(C.レンズの加工になります。B.と逆順にする予定でしたが、写真の準備ができましたので。)
肝となるCONTAX GマウントレンズのMF化加工です。(1)でばらしていること前提での説明となりますのでご留意ください。加工自体は大したことないのですが、説明する必要のある部分が多く若干煩雑ではありますがご了承ください。
1.勘合位置の調整
元々鏡筒外周はレンズの締めこみ部として回るため、レンズマウントの可動部としか繋がっていません。これを鏡筒本体に固定しないといけないので、位置決めを行ってねじ穴をあけ、固定する必要があります。鏡筒の固定位置は写真1を目安にして頂ければよいかと思います。
分かりやすいようにマジックで線を引いていますが、表面加工がされておりすぐに取れますので大丈夫です。ほぼこの延長線上(レンズが固定された時の直上)に1個、そこから左右下方に1点ずつの合計3点にM1.4のねじ穴を立てて固定しています。目安としては、マウントのフランジ面部材が4か所ねじで固定されていますのでその付近で少しずらしたところ、という感じです。同じところだと強度的に不安ですし、ここから外れたところはねじを立てるところが十分に取れません。具体的には、
外周と本体を希望位置で接合(手で押さえてもテープ等で仮止めしてもOK)したまま1.1mmφで
貫通させて位置をとる。
→部材をばらして本体にM1.4でねじを立てる。
→外周部の貫通穴を1.5mmφで拡張し、沈頭できるように表面だけ2.0~2.5mmφで削る。
という手順になります。最後の沈頭穴を削りすぎないように注意。
2.ヘリコイド可動範囲の確認、加工
勘合位置が決まったら、そのまま外周を引き抜いてヘリコイドのストッパーの可動域を外周に読み取ります(写真2)。
最終的に連結金具を使って回しますので、若干広めに読んでおく必要があることに注意します(写真2の外の線)。読みとったらばらして写真3のように可動域に当たる範囲で2ピースのリング部で隠れるところの後ろ半分くらいの範囲をマークします。
そしてここを削り取ります(写真4)。
削り取った部分の裏も写真5を参考に薄くしておきます。
ここを接合金具が通ります。削った後リング部を戻してスムーズに回転するか確認しておきましょう。バリが出ていると引っかかります。
3.外周結合穴の加工
鏡筒前方から延びるステーと鏡筒外周が2層になるところで3か所ねじ止めしてあるところがあります。リング部もこれで固定されていますので、回るようにするにはここを加工しないといけません(写真6)。
鏡筒外周の2つの部材のねじ穴を、ねじの頭が貫通できるまで拡張します(2.0~2.5mmφ、使うねじによります)。最後に鏡筒前方のステーのねじ穴の表側だけを上と同じドリルで削ります(写真7)。
ここも削りすぎると止められないということになってしまいますので注意してください。3個の部材を鏡筒本体に仮組し、ねじを締めてリング部がスムーズに回るかチェックしてください。削りが足りない、締めこみが足りないとひっかかります。
4.鏡筒本体の加工
鏡筒本体も接合金具が通れるように加工しないといけません。写真8の丸囲み部の出っ張りが邪魔なので、ここの出っ張った部分だけを削ります。
やはり接合金具が通る都合、ストッパーの可動域よりも広めに削っておく必要があります(写真9)。
これで主な加工は終わりです。長くなりましたので、(2)-2で残りの加工を説明します。